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デジカメ 伸びる低価格「一眼」、女性層にピント ニコンも参入

 デジタル一眼レフカメラの市場が活況にわいている。ソニーと松下電器産業が参入した7月以降、順調な伸びをみせ、民間調査会社BCNによると10月の販売台数は前年の2倍に達した。10万円以下の低価格帯の新商品が、一眼レフの購入層を女性などに広げ、需要拡大を牽引(けんいん)している。

 ニコンが12月1日に発売する入門機「D40」は、本体実勢価格が6万円以下とデジタル一眼レフで最安値を実現した。コンパクト型に迫る価格で、「いままで一眼レフに手がでなかった層を狙った」(広報・IR部)という。女性を意識し、重量を現行の入門機「D50」より65グラム軽い475グラムに抑えた。本体肩の機能表示用液晶をなくし、背面液晶モニターに集約して小型化も進めた。

 ニコンは9月に本体価格約12万円の中級機「D80」を投入。タレントの木村拓哉さんを起用した広告の効果などもあり、人気を博した。年末商戦に低価格機を投入、拡販を図る。

 ペンタックスは7月下旬に投入した約7万5000円の入門機「K100D」が好評だ。手振れ補正機能などを搭載したこともあり、7月の一眼レフのメーカー別シェアを前月より6ポイント以上高い13・9%に引き上げた。

 その勢いを受け、本体価格約12万円の中級機「K10D」は予想以上の受注を集め、発売を10月下旬から11月30日に延期したほどだ。

 軽量化ではオリンパスが先行。昨年11月に投入した本体価格が約8万円の「E500」は約435グラム。今年9月にドイツで開かれた映像機器展「フォトキナ」では、さらに軽い375グラムの「E400」を発表した。年内は欧州のみの販売だが、来年には日本でも発売される見込みだ。

 オリンパスイメージングの大久保雅治社長は「年末商戦は低価格機が増えるので、単価は厳しくなる」と価格競争の激化を懸念。今年のデジタル一眼レフ販売計画も3万台減らして25万台に修正している。

 業界内には「低価格機の投入で収益性が低下したコンパクト型の二の舞になる」との指摘もあり、デジタル一眼レフでも収益確保が今後の課題になりそうだ。

(会田裕治)
フジサンケイ ビジネスアイ - 2006年11月17日