第28回 Webデザインをマーケティングに役立てるヒント
操作はいたって簡単です。デジタル・カメラ屋さんの店頭で実際に見るように,最初は様々なデジカメが並んでいます。しかし,右側にある「スライダーバー(青い部分)」を操作することで,その条件にマッチしたデジカメだけが絞り込まれていく(画面に残っていく)という仕掛けです。
仕組みも単純です。各商品に属性として,それぞれの「スライダーバー」に対応する情報が埋め込まれていて,指定された条件とを比較して「表示する/しない」を判定しているだけです。数値を入力するわけでもなく,マウスで少しスライダーバーを動かすだけで,目に見える形で絞り込みの結果がわかることが画期的でした。
商品一つひとつが情報を持っていて,それによって商品選択を行っていくという当たり前のプロセスを,アプリケーションとして実装しただけですが,ユーザーはその様には受け取らず,かなり良い「体験」として,このRIAシステムを愛用しました。実際,今までユーザーが,「躊躇(ちゅうちょ)」していたかもしれない事柄を,誰にでもできるようにしてくれたともいえます。つまり,実際に店舗に行って,店員さんに様々な条件を言って,自分のニーズにあった機種を絞り込んでいく作業を,自分ひとりの力でできるようにしてくれたのです。
現実には,誰もが店員さんと納得するまで話をできるわけではありません。会話のペースや技術的知識の量によって,「納得していないけれど押し切られた」とか,「よくわからなかったけれど,熱心に薦められたから」という理由で購入に至ったユーザーもいるでしょう。
このRIAシステムは,それらからユーザーを解放し,自分のペースで商品選択を心ゆくまで時間をかけて楽しむことをできるようにしてくれています。
ITpro - 2006/11/7
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