火曜日

デジカメ、市場で再浮上 高機能化進み買い替え需要


急速に普及し、頭打ちになっていたデジタルカメラの売り上げが、再び伸び始めた。高機能を売り物にした新商品が買い替え需要を引っ張り、2年連続のマイナス成長とみられていた06年の国内市場は、プラスに転じる見通しだ。ただ、過当競争の構図には、大きな変化は見られない。
世界最大手のキヤノンは10月、06年の世界出荷見通しを2000万台から2065万台に上方修正した。上方修正は、7月に続いて今年2回目だ。業界団体のカメラ映像機器工業会(CIPA)も、総出荷を6734万台から7297万台に上積みした。前年割れの828万台とみていた国内出荷を一転、3%増の870万台とした。

 デジカメの国内世帯普及率は3月末で53.7%に達し、市場は飽和気味だ。しかし、春以降、各社が手ぶれ防止・補正機能や高画素などをうたった新商品を相次いで投入した。一眼レフ市場がソニーなどの新規参入で活性化したこともあって、消費者の購買意欲を刺激したようだ。

 ただ、デジカメの商品開発サイクルは短く、下位メーカーが高機能化や価格競争についていくのは簡単ではない。CIPAは、07年の国内市場は再びマイナス成長になると予想しており、業界には引き続き淘汰(とうた)の圧力がかかるとみられる。

朝日新聞 - 2006年11月5日