金曜日

ニコン中間、ステッパーのコスト削減効果が前倒しで

ニコン <7731> が9日に発表した2007年3月期9月中間連結決算は、売上高が3772億円(前年同期比10.0%増)、営業利益が440億円(同55.1%増)だった。同社はすでに10月26日の時点で、中間期および通期の業績予想を上方修正済み。
特に好調だったのが半導体・液晶用ステッパーを手掛ける精機事業で、部門別営業利益は前年同期比87.1%増の232億円に拡大した。期初計画からは93億円もの上振れで、「(簡素化設計などの)コスト削減策の効果が当初は下期から表れると見ていたが、前倒しで上期から出ている」(会社側)という。
一方、デジカメの映像事業の営業利益は、計画に対して49億円超過の189億円(前年同期比21.8%増)。内訳は第1四半期の125億円に対して第2四半期が64億円と減少したが、これは9月発売のデジタル一眼レフ「D80」(CMキャラクターに木村拓哉)など秋モデル投入に関わる初期費用が嵩んだため。
主力の両事業ともに、通期の営業利益計画については、上期の上振れ分だけを乗せるに留め、下期については期初の予想を変えていない。ステッパーは最先端のArF液浸が9月に初めて売上計上された(2台)。下期にさらに7台、通期で合計9台の売上を見込むが、一方で初期費用も計上される面もある。
デジカメについては「コンパクトはこれまで通り収益性を重視して、無理をしてまで売らない」との姿勢を強調。コンパクトデジカメの通期の出荷台数予想(国内・輸出合計)を60万台下方修正して650万台とした。会社側は「普及品がよく売れて、そのぶん平均単価は下がった。業界平均より大きい下がり方だった。上の価格帯は一眼レフに流れているのかもしれない」と分析している。一方のデジタル一眼レフについては25万台上方修正して、通期200万台の出荷を予想している。(T.N)



日刊県民福井 - 2006/11/10