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デジカメで撮った写真を簡単に加工して印刷できるかが、今年の勝負どころ家庭用プリンター 年末商戦“天王山”


 写真付き年賀状を家庭で簡単に?。年末恒例のプリンター商戦は、デジタルカメラで撮った写真をいかに簡単に加工して印刷できるかが、今年の勝負どころ。電子メールに押されて年賀状需要が減る中、写真印刷用の年賀はがきだけ需要が増えているためだ。

 日本郵政公社の今年の年賀はがき発行枚数は、昨年より約3億枚少ない約38億枚。だがプリンターできれいに写真印刷できるタイプは、昨年の5000万枚から1億枚へ倍増した。

 家庭用プリンター市場はキヤノンとセイコーエプソンがシェア45%前後でせめぎ合っている。年間販売台数の半分近くが売れる年賀状シーズンは“天王山”だ。

 昨年は主に画質などを競い合った両社だが、今年はパソコンを使わず年賀状を作れる手軽さが売り。各社は主力商品に、デジカメやメモリーカードから写真データをプリンターへ直接入力し、手書きの文字や絵をスキャナーで合成して手作り感覚の年賀状を印刷できる機能を盛り込んだ。

 加えてキヤノンはあて名と裏面の同時印刷機能を、エプソンは暗い場所などで撮影した写真の自動補正機能を盛り込み、特色を出した。トップ2社を追うカシオ計算機は、文面もあて名もパソコンなしで作成、印刷できるキーボード付きの商品を売り出した。

 各社とも主力商品の店頭価格は「3万円前後」(エプソン)で、「年に1回使うだけにしては高価だ」と購入を控える家庭も多い。キヤノンは「旅行や運動会の写真も手軽に加工して楽しんで」と、汎用性の高さをアピールしている。

【写真】年賀状向けの需要期を迎えた家電量販店のプリンター売り場=東京・有楽町で

中日新聞 - 2006年12月9日