メモリ・メーカのQimondaが2007年の事業方針を発表,パソコン以外にテレビやデジカメなどの市場開拓にも注力
ドイツInfineon Technologies社から2006年5月にメモリ・メーカとして分社したQimonda社は,同社のDRAM事業の状況や日本における事業方針を発表した。パソコン用DRAMだけではなく,ディジタル・テレビやデジタル・カメラに搭載するDRAMの市場開拓にも力を入れていくという。
同社の2006年の売り上げは,対前年度比35%増の38.1億ユーロとなった.これによりDRAM市場における世界シェアの順位は,2001年には4位(9.2%)だったが,2006年には韓国Samsung Electronics社(28.7%)と韓国Hynix Semiconductor社(16.5%)に次ぐ3位(15.7%)となった。
また,ディジタル・テレビやデジタル・カメラ,携帯電話,ビデオなどに搭載されたDRAMの割合は,2005年には30%程度だったが,現在は50%近い。今後も非パソコン機器向けDRAMの市場開拓に注力していくという。同社の売り上げの中で日本市場が占める割合は,2003年の2%から2006年は7%へと増加した。
2006年10月には日本法人キマンダ ジャパンの新社長として馬場久雄氏が就任した。同氏は,「顧客を最優先にする」という基本方針と,いくつかの事業の柱を発表した。
同社のDRAMは,現在主流のスタック技術ではなく,トレンチと呼ばれる技術を用いている。このトレンチ技術による低消費電力化をさらに推し進める。
例えばDDR SDRAMでは,最も電力効率の高い競合製品と比べて,消費電力を25%抑えられるという。発熱温度が16℃抑えられた事例も紹介した。
また,直径300mmのシリコン・ウェハの生産比率を引き上げて生産コストを抑える方針も表明した。DIMM(dual in-line memory module)の生産にも力を入れる。このほか,ASICなどへのDRAMコア搭載のサポート部門などを設けた。
組み込みネット - 2007/3/6