市川ソフトラボラトリーは1日、JPEG現像ソフト「SILKYPIX JPEG Photography(シルキーピックス ジェイペグ フォトグラフィー) 3.0」の発売を開始した。
同社のRAW現像ソフト「SILKYPIX Developer Studio 3.0」で採用した、JPEGデータをRAWデータとして扱うことができる技術「RAW Bridge」を搭載している。
「SILKYPIX JPEG Photography 3.0」
「SILKYPIX」シリーズは、デジタルカメラで撮影したRAWデータを現像するためのソフトで、プロからハイアマチュアに人気の高い製品。高品位な現像結果に定評があり、昨年9月に発売された最新版「SILKYPIX Developer Studio 3.0」(ダウンロード版 : 価格16,000円)は、世界で初めてJPEGデータをRAWデータとほぼ同じように扱うことが可能な技術「RAW Bridge」を搭載して注目された。
2月1日に発売された「SILKYPIX JPEG Photography 3.0」は、RAW現像機能を省いてJPEGデータのみの扱いに絞った製品で、価格は約半額の8,000円(ダウンロード版)となっている。
デジタルカメラは、一般的にカメラ内部でイメージセンサから取り込んだ生のデータ(RAWデータ)を現像し、JPEGフォーマットに変換してメモリに保存をする。しかし、この方法では、カメラメーカーの設定した仕上がりで現像されてしまい、撮影者の考えていた画像にならないことも多い。
また、一度JPEGデータに変換したデータに対して、ホワイトバランスや彩度、コントラストの調整、あるいはノイズの消去といった作業を行うと画質が劣化してしまう。そのため、高品位な画像を得るためには、現像する前にこれらの調整を行うのが理想的とされている。
市川ソフトラボラトリーでは、JPEGに変換される前のRAW(生)データをパソコン上で直接調整し、その後現像することによって、高品質な写真に仕上げることができるRAW現像ソフトの開発、及びRAWデータの普及に力を注いできた。
そこでRAW現像ソフト「SILKYPIX Developer Studio 3.0」を完成させたが、まだその時点ではRAWそのものの認知度は低かった。そのためRAWの魅力を知ってもらうきっかけとするべく、「RAW Bridge」の機能に特化し、購入しやすい価格でリリースしたのが「SILKYPIX JPEG Photography 3.0」である。
「RAW Bridge」とは、JPEGデータを「16ビット階調補完処理」→「線形リニア化処理」→「広再現色域マッピング処理」するリニアRAW処理を行うことによって、一時的にRAWデータに近い形のデータとして処理し、それを再び現像処理してJPEGデータに書き出す技術。
この機能は、デジタルカメラで撮影したデータに限らず、コンパクトデジタルカメラやスキャナで読み取ったJPEGデータでも利用可能だ。
つまり、過去に撮影したフィルムをスキャナで読み取って調整し、パソコン上で再現像することが可能な上、すでにJPEGデータに変換された状態で納品されてしまったデータも画質を劣化せずに再調整できるので、DTPやデザインなど実務の現場でも活用することができる。
ラベル: SILKYPIX Developer Studio 3.0